企業の社会参加と環境まちづくり日英のグラウンドワークの取り組みを事例として

摘要

今でこそCSR（企業の社会的責任）などの用語が一般化され、地域社会に対して企業が具体的な貢献活動を実施することが求められ、それがSRI（社会的責任投資）などを通じて企業評価される時代となっているが、グラウンドワークがわが国に紹介された1990年代当初は、そのような意識がわが国ではそれほど浸透していなかった。 もちろん、メセナやフィランソロピーといった概念で主に芸術文化分野での企業による支援活動はあったし、まちづくりの分野でもいわゆる「民活」のような民間の資金力やノウハウを活用して社会資本を整備することは取り組まれていた。 そのような状況において導入されたグラウンドワークの考え方は、企業が市民·NPO、行政との協働（パートナーシップ）により実践的にまちづくりに関与する点において非常に斬新で、多くのまちづくり関係者の関心を引くところとなった。 現在でもグラウンドワークの最大の特徴として、企業との具体的なパートナーシップがあげられることが多い。