薬学的観点からみた緑茶飲用の有用性について③

摘要

先月号では、無農薬緑茶抽出錠(SGT)服用後の、カテキン類の体内動態の特性について書かせていただきました。特に、機能性活性が高いといわれているEGCgなどガレ— ，T型カテキンは、非ガレ—ト型カテキン(Ec、 EGCなど)よりも抱合体化という代謝を受けにくいため体内に留まりやすい性質があるということをご紹介しました。一方、鎮痛薬として使われるアスピリンと比較して、力テキン類は血液中への吸収量が少ないこともわかりましたが、緑茶による健康増進効果は、ァスピリンのように頭が痛いときに短時間で症状を改善するような作用ではなく、緑茶として長期間、習慣的に摂取し続けることによって期待できる効果と私は考えております。このことは、9月号でご紹介しましたように、習慣的に緑茶を多く飲む集団が、そうでない集団よりもがんの発症リスクが少ないという9年間追跡した疫壁研究の報告などからも推察ささて、今回は緑茶カテキンが、がんに対してどのように作用するのか、そのメカニズムを探ってみたいと思います。