ガラス織物強化SDR制振材料の開発とその性能評価

摘要

制振ゴムシートの間にガラス繊維平織物を挟んで接着させ，高強度，高利振性のダンピング材料GFRRを開発した。 その上，開発した材料の静的および動的特性を調べ，次の結果が得られた．ガラス織物強化ゴムシートのGFRR材はゴムシートのみのSDR材より約200倍高い引張強度を示し，接着強度も十分大きく，SDR材の力学特性を大幅に改善した。 また，ダンピング特性については中央加振法および動的粘弾性試験の両試験法から，材料の損失係数を測定し，開発された材料の制板持性を定量的に評価した．GFRR材はSDR材に比べ，減衰特性のピーク値は劣るが，温度領域30～80℃において損失係数が0.3以上の値を有し，高強度·高ダンピング材料であることが明らかとなった上　 さらに，RKUモデルを用い，粘弾性層の損失係数から非拘束型構造の複合損失係数の予測を行い，同構造における複合損失係数の温度および層厚比の依存性を明らかにした．予測した複合損失係数と中央加振法の実験値とは崇似な分布傾向を示し，幅広い温度範囲で連続したDMA試験デ一夕を利用した本手法による実用的予測は可能であることが分かった．最後に，本研究の遂行に当たり，本学機械システム工学科の増日新助教授にご助言いただき，ここで謝意を表する。