東日本大震災からの農水産業復興を支援する食品加工技術

摘要

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震と それに伴って発生した津波，およびその後の余震によ り引き起こされた大規模地震災害である東日本大震災 により，岩手県をはじめとする東北地方沿岸部は甚大 な被害を被り，さらに，福島第一原子力発電所事故に よる農林畜水産物の放射性物質汚染で，東北地方沿岸 部や北関東は，震災と放射性物質汚染の二重苦に陥つ ている.東北、北関東（東北6県と茨城県，栃木県， 群馬県）は，日本の食を支える地域であるが，地震' 津波被害および原子力発電所事故の影響で，農畜産物 および水産物の生産量不足が心配されている.また， 工場等の被災は地域の雇用に大きな影響を引き起こし ており，被災地住民の生活再建のためにも一次-三次 産業の復旧、復興は喫緊の課題となっている.そこで， 著者らは，地震、津波被害を受けた三陸沿岸地域にお ける水産加工業の復旧、復興により，被災地の経済復 興を目指すとともに，震災による食料不足および食の 安全に対する不安の解消を目的として，高効率かつ高 品質な水産加工食品（魚介乾製品）を製造するための 技術開発を進めている.