食の安全安心とェコで注目高まる鮮度保持技術-歩留り向上が最大の省エネ!節電需要の高まりで見直し進む冷凍、解凍技術-

摘要

わが国の食料自給率は約40%と低く、多くの食品を海外か らの輸入に依存している。現在では輸入される畜肉、水産製 品は飼育から流通までシステム化されており、その多くが鮮度 と品質を保っため解体後に冷凍されているが、各加工、調理 現場での解凍の状況は、冷凍技術の発達と同調していると は言い難く、緩慢解凍法に代表される旧態依然とした方法で 行われ、結果として品質や鮮度の劣化につな力5つていた。ところが福島第一原発事故をきっかけに節電、省エネをキ 一ワードにした冷凍、冷蔵、解凍工程に至るまでの設備の見 直しが加速度的に進み、加えて原材料の高騰に伴う廃棄口 ス削減の観点からも食品の鮮度保持ソリューションに注目が 集まっている。ブロック肉や魚など適切な冷凍、解凍を行った 場合とそうでない場合ではドリップの量に大きな差が生じ、品 質および歩留りの両面に大きな影響を及ぼすことが確認され ている。最新かつ適切な冷、解凍技術を導入することで得ら れるメリットは表1の通り。本稿では、食品の冷凍、解凍技術と鮮度保持のための各 種ソリューションの最新動向を紹介していく。