春の七草と七草粥

摘要

七草といえば、一般には食べられる春の七草と観賞される秋の七草を思い浮かべるでしょう。 しかし、七草にはこのほかに、夏の七草もあります。 また著者は冬の七草を提案しています。 今回は春の七草と七草粥について紹介します。 春の七草は、紀元前一五〇年ごろ、漢の王室行事として年頭に当たり「皇室の撫病息災」を祈願して行われていたのを、遣唐使がわが国へ伝えたといわれています。春の七草は、元来は米、麦、小麦、粟、黍、大豆、小豆の穀類で、正月十五日に粥に入れて食べたとされています。 その後に、せり、なずな、ござょう（ハハコグサ）、はこべら（ハコべ）、ほとけのぎ（コオニタビラコ）、すずな（カブ）、すずしろ（ダイコン）に代わったといわれています。