ボンエルフ道路を導入した計画住宅地の開発計画と宅地ニーズの変化に関する研究: 宮城県七ヶ浜町七ヶ浜ニュータウンを事例として

摘要

七ヶ浜ニュータウンは、実験道路を用いた検討会を実施して、ボンエルフという新しい計画を導入した住宅地である。北工区では、歩行者を優先的に考えた計画がなされたが、10 年後に開発完了した南工区では自動車社会へと転換していく時代の流れに合わせて、自動車も考慮した街区、宅地計画が行われている。居住者について見ると、北工区では分譲から30 年以上経っていることもあり、入れ替わりの多い地域も見られた。近年の需要は東日本大震災の影響があるものの、住民の手によって植樹桝や緑地の管理を行うなど、良好な住環境が維持されてきたことにより住宅地としての需要が保たれていると考えられ、それらの管理を通した住民コミュニティや緑地環境の形成は、住宅地の維持に寄与していると推察される。