肉用牛畜産業の課题-牛肉を生産しているという意識がない

摘要

枝肉出荷をしている生産者が、最も関心の高い目標 が枝肉の規格評価の成績である。この成績は、血統が 大きく影響するが、同じ血統の兄弟牛でも同じになる とは限らない。遺伝子の全てが同じでも、その働いて いる遺伝子は一部に過ぎず、同じ遺伝子が働くとは限 らないからである。人間でも、よく似ている兄弟もあ れば似ていない兄弟もあるのと同じである。しかし良 い血統を持っていなければ良い結果は得られないの で、血統の選択は重要である。規格の条件である「サ シ」を決めるのは血統による部分が多いのだが、肉周 りの部分は飼育の成果によるところが多くなる。ただ 大きく肥れば良いのではなく、肉付きが大切なわけで ある。ただ肥るだけでは皮下脂肪と筋間脂肪が多くな り、肉の歩留りが落ちていたら、かえって評価を下げ ることになる。牛の要所要所に触ってみて、脂肪の乗 りすぎに注意することで、カロリーのコントロールが できるようになる。