ゥンシユウミカン加工副産物の抽出物から溶媒への溶解性の差を利用してbeta-クリプトキサンチンを精製する方法

摘要

ゥンシユウミカン搾汁工程の篩過や遠心処理で発生する パルプは.beta-ゥリプトキサンチンの有用な抽出原料とな る.そこで，これらを原料にして，低コストで簡便なbeta-ク リブトキサンチンの精製工程を開発した.まず，酵素分解 によりパルプを減量し，水分を遠心分離で除き.沈殿中の 水分をァセトンで置換することで，乾燥せずにへキサンで beta-クリプトキサンチンを含む抽出物が効率よく得られる ことを示した.エステル型beta-クリプトキサンチンを含有 するへキサン抽出物を得た後，へキサン.アセトン.エタ ノール，へキサン/エタノール混合溶媒への成分の溶解性 により，可溶部と不溶部に分け，へキサン可溶部，ァセト ン可溶部，エタノール不溶部，へキサン/エタノール混合 溶媒不溶部を順次回収することで，エステル型 beta-クリプ トキサンチンを高濃度化することができた.この高濃度含有物をアル力リ加水分解し，有機溶媒層から遊離型/3-ク リブトキサンチンを結晶として得ることができた.また， ゥンシユウミカン果皮のへキサン抽出物は，水とともに精油を減圧溜去した後，エタノール不溶部を得て，これをァ ル力リ加水分解後，有機溶媒層を簡易なシリカゲルカラム クロマトグラフ分離に付し，遊離型汐-クリブトキサンチ ンを結晶として得ることができた.カキ果皮も，同様の操 作でカロテノィドを高濃度化して，加水分解で高濃度の遊 離型カロテノィド混合物を得ることができた.実験の一部を遂行していただいた石田宏枝氏に深謝しま す.本研究の一部は.農林水産省の新たな農林政策を推進する実用技術開発事業委託事業（No.22027)の助成を受け て行われた.