動物愛護センターにおける社会化期の子イヌの行動と譲渡後における間蓮行動の発現との関連性

摘要

イヌの社会化期（約3～12週齢）は、同種および異種動物との適切な社会行動を学習する過程とされており、この時期の環境はその後のイヌの行動に大きく影響する。 そこで本研究では、動物愛護センダーにおいて社会化期を過ごす子イヌの行動観察を発育段階に応じて経時的に行うとともに、譲渡後の行動をアンケートによって追跡調査することにより、子イヌの社会性の発達と譲渡後の問題行動の発現との関連について検討した。 また、愛護センターでは、不安気質の子イヌが譲渡先になかなか馴染まないという現状がある。 ヒトでは、セロトニンやノルアドレナリンが不安に関連す－ることが報告されているが、イヌでは実証的データが乏しい。 そこで、不安気質の子イヌの生理学的スクリーニングの可能性を探ると共に、行動との関連性を明らかにするため、保護されている間の子イヌの尿中セロトニンおよびカテユールアミン濃度を測定した。