水土文化への誘い（その8）－水土文化の表し方－

摘要

水土文化に関わる資源情報が地域住民に適正に伝わり，共有されることは，農村振興において重要な側面である。そこで，本講座の第10回においては，文化事象を情報として表現する方法と住民参加活動等を通した共有認識のあり方について紹介した。 本報では，文化資源情報を定義し，それらの情報の利用がいかなる現状にあるかを明らかにするととちに，文化資源情報の共有と「知」の共有との関係について整理することにより，農村振興に利用するための情報のあり方について示唆した。また，これを踏まえた文化資源情報システムの整備要件についてもまとめ，情報の一体的整理，ビジュアル記録，GISの導入，住民参加システムの活用等の必要性を指摘した。さらに，これらの要件を備えた情報システムの一例を紹介するとともに，情報共有のための住民参加活動の方向性についても示唆した。