殺虫剤抵抗性問題の克服に向けて 農林水産省委託プロジェクト研究「ゲノム情報等を活用した 薬剤抵抗性管理技術の開発」の概要一

摘要

農業生産の現場では，大きな減収要因となる害虫 の被害を軽減することを目的としてさまざまな防 除手段が講じられている.過去には殺虫剤のみに頼 る時代もあったが，近年では，殺虫剤以外の物理的 防除法や生物的防除法を組み合わせて使用するこ とにより，作物に被害が出ないレベルに害虫密度を抑制する総合的害虫管理（IPM)の導入が積極的に 図られるようになった.しかし，使用法の簡便さや 防除効果の高さを踏まえると，殺虫剤を中心とした 化学的防除は今後も基幹技術であり続けると思わ れろ.