需要と環境の変化に対応した バレイショ品種育成の動向

摘要

日本は1970年の大阪万博EXPO'70を成功 させ，先進国への階段を駆け上り経済は右肩 上がりの成長を遂げた。この頃，バレイショ の消費量は低下を続け，一人あたり年間消費 量は最低の約13kgとなった。食糧として生 いもを家庭で調理する生食（青果）向け消費 が減少したためである。ところ力5ヽ消費の現場 では質的な変化が生じ，大阪万博EXPO'70の レストランでフライドポテトが人気を博した ように，油で揚げる用途が生まれ，加工食品 向けが加わりバレイショの消費量は増加へ転 じた。1970年代にポテトチップ，そして1980 年代に冷凍フライドポテトの増加に続き，レ ストランチェーンなど外食産業の発展，さら に1990年頃からは惣菜等の中食としてコロッ ケとサラダの消費が拡大した。2010年代の一 人あたり年間消費量は，17kg程度に増加し ている。