「トマト、桃太郎はるか」

摘要

「ハウス桃太郎」は長年促成栽培で好評を得てきたが、近年春先の高温期の軟化玉と条腐れ果の発生が問題となっている。 これらの生理障害果の発生が少なく、しかも、低温期のより安定した肥大力を持った品種を目標に育成した。育種上、軟化玉を減らすために果実の硬度を上げると食味が低下する傾向が強いが、今回この壁を打ち破ることができた。 「桃太郎はるか」の果垂は約220gで「ハウス桃太郎」と「桃太郎J」との中間の大きさ。 低温、少日照下の栽培でもチャック、窓あき果が少ない。 また、春先の上昇気温下に見られる条腐れの発生も少ないので秀品率の高い品種である。 果実は硬く、春先からの軟化玉の発生が少ないため、長期栽培に使える。 花東部は小さく果色、食味が従来から栽培されている「ハウス桃太郎」並みに良い。 さらに、多肉質であるので、草勢低下時に見られる空洞化の発生が少ない。 非常に商品性に優れた品種であると言える。