なぜ乳牛に低カルシウム血症が起こりやすいのか？

摘要

あるとき，医者を含めたカルシウム代謝のカンファレンスにおいて，乳牛の低がレシウム血症（低Ca血症）について講演を行ったことがある。 そのなかで乳牛では血中がレシウム（Ca）濃度ほしばしば5 mg／de以下となり，起立できなくなる疾患が5～10％もあることを話した。 その話を聞いた聴衆者の叫人から質問があり，その血中Ca濃度は測定上の誤りではないか，ヒトではそのような濃度になることは減多にないと食い下がられて戸感つたことがあつた。それほどに乳牛が示す低Ca血症は著しいものと思われ，ヒドを含めた他の動物では発症はあるもののそれほど多いものではないところからくる質問と考えられた。 そのように血中Ca濃度はどの動物も非常に厳密に調節されて生体の生命機構を維持しているものなのである。 それなのに，乳牛ではなぜ低Ca血症が起きやすいのであろうか。