イネいもち病菌の野生Setaria属植物に対する病原性

摘要

野生Setaria属植物であるエノコログサ.アキノエノコログサ.キンエノコログサについて計 12の植物株を供試し.イネいもち病菌6菌株を接種した。その結果，キンエノコログザでは全植 物株で無病徴反応のみが観察された。ェノコログサとアキノエノコログサでは中央に崩壊部のあ る小型病斑が観察され，2型感染型病斑と判定した。アキノエノコログサでは2型感染型病斑の 形成が認められた供試植物株は少なかったが，ェノコログサでは全植物株に認められた。一方， ェノコログサでも2型感染型病斑が形成された植物の個体数は植物株間で大きく異なり，さらに は同一株内でも接種した菌株により形成される場合とされない場合が認められた。2型感染型病 斑の胞子形成能は全般的に極めて低かったが.エノコロダサでは100個以上の胞子が形成される 病斑も少数観察された。このような胞子形成能を有する病斑は特定の菌株と植物株の組合せで出 現する傾向が認められた。