Fusarium oxysporumによるスイートピー株枯病（新称）

摘要

スイートピー（Lathyrus odoratus L.）は，宮崎県では1983年からビニルハウスでの生産が始まり，2008年現在栽培面積、生産額で日本一の産地となっている。 2004年に宮崎県南那珂郡のスイートピー産地においてスイートピーが下葉から黄化し，次第に株全体が枯死する症状が発生し，問題となった。 本症状の原因を究明した結果，Fusarium oxysporum Schlechtendahl：Friesによる病害であることを明らかにした（今村ら，2005）。 本病は国内での報告はなく，また海外の文献では米国の宿主、病原リストにスイートピーの萎凋性病害としてF.oxysporum f. sp. vasinfectumの記録があるが（Anonymous，1960；Alfieri Jr. et al.，1984），これらのリストには引用出典は記載されておらず，詳細は不明である。 本病の病徴，病原菌についての詳細を報告するとともに本病に対するスイートピー各品種の感受性の比較を行った（今村ら，2005；興椙ら，2007）のでその結果について報告する。