先天性血管異常により高アンモニア血症を示した子牛3例

摘要

活力低下，ふらつき，起立不能を呈したホルスタイン種子牛3症例において，高アンモニア血症，総 胆汁酸値の上昇，飲乳はするがスターターを嫌うといった共通の徴候がみられた。1例は，超音波検 査で門脈体循環シャント（PSS)と診断され，2例は病理解剖により肝門脈微小血管異形成（HMD)お よびPSSと診断された。3症例は共に肝性脳症を呈していたと推察された。これらの症例に対し積極 的に治療を行う価値は低いと考えられたことから，PSSあるいはHMDが疑われる徴候をみた場合は， 血液検査，超音波検査，肝生検等による鑑別診断と予後判定を行うことが重要であると考えられた。