コリンとメチオニンの違いとは

摘要

コリンやメチオニンは養豚や養鶏における飼料添加剤として比較的一般的に用いられてきています。 これらを加えることによって，子豚や雛の成長が促進されたり，体脂肪の減少がみられるとのことです。 これはコリンが生体内の主要なリン脂質であるファオスファチジルコリン（レシチン）の材料であり，コリンの欠乏は細胞膜やリポタンパク質の生合成に重大な支障をきたすためと考えられています。 乳用牛においても，同じことが考えられ，特に周産期では体脂肪を盛んに分解し，遊離脂肪酸の形で肝臓へと運びます。 肝臓では脂肪酸の分解とともに，過剰な脂肪酸を脂肪へと再合成し，超低比重リポタンパク質（VLDL）として肝外に排出します。 このVLDL生成能に関して，牛は他の動物より能率が悪いともそうではないとの諸説がありますが，いずれにしろ，コリンの欠乏が生じた場合，VLDLのリン脂質膜が作れなくなるわけですから，肝臓の外へ脂肪を出すことが出来なくなります。 この結果が脂肪肝です。