DNAリガーゼの構造と機能アーキアからの発見

摘要

生物の第三のドメインを形成するアーキアの多くは高温や高塩濃度といった極限環境下で生育している．これらの環境要因が原始の地球環境を想像させることから，アーキアは生命の起源を論ずる上でも重要なモデル生物として考えられている．そのなかでも好熱性のアーキアが産生する熟安定なタンパク質は構造生物学的研究に適しており，最近になって複数の真核生物型DNAリガーゼの結晶構造が報告されている．これらの結果から，DNAリガーゼがDNA結合の反応時にひき起こす動的な構造変化について考察することが可能となった．