左ヒラメに右カレイの諸に迫る: ヒラメ、カレイの左右非対称形成のメカ＝ズム解明に向けて

摘要

ヒラメ、カレイは両眼が体の片側にあり，眼の配置する体側（有限側）ごが黒褐色，反対側（無限側）が白色であるなど，体全体が左右非対称にできている．この眼は，胚発生の過程では両側に対称に形成され，変態期に入って片側眼球が反対側に移動することにより左右非対称となる．その後，黒色素胞が有限側だけに分化することにより，体全体が非対称になる．外観だけ観察していると，ヒラメ、カレイの非対称性形成は眼球移動から始まるようにみえる．しかし筆者らは，実際には脳が先に非対称性形成を始め，それに伴って眼球が移動することを見いだした．