ヒラメ、カレイの裏表--異体類の左右性発現の機序とその異常について--初期発生における視交差の左右性形成に対する発生学的アプローチ

摘要

脊椎動物の内部形態は，心臓、消化管を含めて多くの器官が左右非対称に配置し，さらに個々の器官も左右非対称な形態をしている。 このような左右非対称は発生プロセスにおいて形作られ　 それらはnodal／lefty／Pitx2という一連の左側特異的遺伝子群の働きによって構築される。 そのうちPitx2（図1）は，全ての脊椎動物群において胚の左側に特異的に発現する，現在までに知られている唯一の転写調節因子である。 脊椎動物に見られる全ての左右非対称形態の形成が，左側決定因子と称されるこのPitx2を介した経路によって共通に支配されているかどうかは，興味深い問題のひとつである。