同一地域で発生した牛サルモネラ症の分子疫学略解析と対策

摘要

A町B地区では、平成15年以降Salmonella Typhmudum（以下、ST）によるサルモネラ症の発生が延べ6件で認められ、本症の対策が課題であった。平成18年に発生した2件については、一般的な防疫対策に加え、租飼料給餌を中心とした飼料設計の変更等の対策を行い、清浄化した。また、管内で分離されたST殊についてパルスフィールドゲル電気泳動法、ファージ型別試験等による性状分析を行った結果、B地区で発生した6件及び平成14年以降にA町と隣接するE町から分離されたST7件は同一株であり、広域的に流行していることが判明した。その調査結果を生産者に還元し、サルモネラ対策を推進したところ、定期的な畜舎消毒が自発的に行われる等、生産者の衛生意識の向上が見られた。さらに、早期発見と清浄性の確認を目的としたモニタリング検査を実施し、清浄性を確認した。