磁性材料拠点が目指すもの--解析·評価の役割と期待

摘要

1966年にStrnatらにより発明されたSmCo5磁石は希土類元素を用いた初めての永久磁石で，従来の合金磁石よりも飛躍的に高いエネルギー積を達成した"。その後SmCo_5とSm_2Co_(17)相のナノコンポジット組織を持つSm_2(Co, Fe, Cu, Zr) _(17)系磁石が発明され2),安価で大量使用されるフェライ卜磁石に対し，高価であっても優れた磁石特性が要求されるハイエンドの用途に使われ始めた。この頃，アフリカの政情不安によってCo価格が高騰し，Fe基の合金で高性能磁石が作れないかという研究が行われるようになった。このような社会的背景からFeを主成分として，希土類元素の中でも資源的に豊富なNdと微量のBを使ったNd-Fe-B系磁石（ネオジム磁石）が1982年に佐川眞人らにより発明された