メンデル無作為化解析を用いた統合失調症と 血中ホモシスティン濃度との関連の検討

摘要

統合失調症は罹患率1%と頻度が高く ， WHOによ れば長期的な障害をきたす疾患のうちでトップ10に入る主要疾患であり，思春期から成人早期に発症し， 慢性、再発性の経過をたどる.これまでに統合失調症 患者では健常者と比較して血液ホモシスティン濃度が 高いことや血液ホモシスティン濃度に影響を与えるメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素遺伝子のC677T多型 が統合失調症のリスクであることが報告されてきた せ,一致した見解は得られていなかった.著者らは， 血中ホモシスティン濃度と統合失調症との因果И係を 明らかにするために，「観察疫学研究」と「ゲノム科学 研究」を組み合わせたメンデル無作為化解析を行った ので報告する.