自家骨移植を併用した骨誘導再生法によリ再生された骨に関する研究

摘要

歯槽層の頬舌的·垂直的骨量が少ない場合は，インプラントの埋入が不可能である．骨誘導再生法（guided bone regeneration：以下GBR）は，歯槽骨の形態不良を改善する方法として，広く臨床応用されている．以前はインプラント治療が不可能とされていた歯槽胃形態の患者でも，GBRを行うことによりインプラント治療を行うことが可能となった．しかしながら，GBRで再生された骨は通常の歯槽骨と比較して脆弱であり遮蔽膜の除去後，再生眉の一部が吸収することが認められる．本研究の目的は，自家膏移植を併用したGBRによって再生された再生骨の性状を評価することである．被験者は，1999年から2003年に，明海大学PDI埼玉歯科診療所でチタン強化かPTFE膜（TR膜）と自家骨移植を併用したstaged approach法のGBRを行った者の中で，実験の趣旨を十分に理解し同意の得られた40歳～66歳（平均年齢55.4(+-)10.0歳）の男性1名，女性4名の合計5名である　 GBR後6～10か月のTR膜除去時にTR膜下の再生骨を母床召と共に，直径2.8mmのトレファインバーで採取し切片作成後，顕微鏡下で観察した.母床骨と比較して再生骨は，骨の割合が少なかった　 再生骨中の新生層は母床骨側で多く，TR膜側では吸収代謝されない移植胃が多かつた.以上の結果より，GBRの治癒期間を10か月より長くとることが骨の成熟に必要なことが示唆された.