暖地大豆畑での帰化アサガオ類の発生状況についての 現地調査と大豆調製施設からの夾雑物調査

摘要

暖地の大豆畑では，盛夏から中秋の時期に薄 青，桃，橙，白色の比較的大きな花を咲かせる蔓 性植物がしばレばみつけられる（図一1)。それ 'ちは，熱帯アメリカから北アメリカの地域を原 産とするヒルガオ科サッマイモ属の帰化雑草で あり，同属のアサガオに似ており，さらに複数 の種が含まれていることから，帰化アサガオ類 と呼ばれている。日本には輸入穀類への混入物 や観賞植物として持ち込まれたと考えられてい る4'6'7)。ァメリ力合衆国では大豆や綿花畑での強害雑草であり，Weed Science and Weed technology の 雑誌に は それ らの生態や防除に関する 論文が多く掲載されている（浅井2005, 20081'2) が詳しい）。それらが日本の大豆畑で問題化した のは最近である。しかし，帰fl:アサガオ類は大 発生すれば，作物を被いつくし，種子生産を著 しく減少させる（図—2)。農業被害は大きく，侵 入.拡散状況の把握や除草方法の開発は急務で ある。著者は暖地の大豆畑（北部九州）でそれら の発生状況を2006年から2008年にかけて調べ てきた。ここでは，その調査結果について報告 する。帰化アサガオ類の拡散防止や被害低減を 進める上で参考になれば幸いである。