児童を対象とするライフスキル形成に基礎を置く食生活教育プログラムの開発と評価に関する研究

摘要

少子高齢化のすすむわが国では，がん，心疾患，脳血管疾患などの生活習慣病が主要死因を占め，栄養代謝に起因するメタポリックシンドローム対策として，特定健康診査，特定保健指導が実施されるに至っている0しかしながら，一皮形成された食習慣を変えることは容易ではなく，基本的な食習慣が形成される幼少年期における食生活教育が重要である。児童生徒の食生活実態調査などからすると，朝食欠食や夜食摂取と不健康な睡眠リズムとの関連性が確認され，間食行動においては，「お菓子やスナック菓子を食べ過ぎない」（52.2％）という態度を有している一方で，マスメディアなどの社会的要因の影響を受けて，実際によく食べるおやつはスナック菓子（50％），チョコレート（30％），あめ（22％）と並ぶなど，将来の健康課題の要因となる食行動が多く見られる。