大学生における行動変容段階別アプローチとGlycemic Index（GI）を用いた栄養教育の検討

摘要

近年，生活習慣病の増加と低年齢化が懸念されている。平成15年国民健康、栄養調査の結果において，脂肪エネルギー比率は20～29歳で27．8％，30～49歳で成人の適正比率の上限25％を上回っており，このような食生活が，糖尿病をはじめとする生活習慣病を増大させる要因と考えられる。 健康関連行動については成人以降における修正や改善は困難になることが指摘されている3）。 生活習慣病を未然に防ぎ，健康習慣を身につけるには，少なくとも大学生などの青年期に栄養教育を受け，生活習慣を自ら改善できる力を養うことが重要であろう。 我々は先行研究において大学生を対象とし，食物摂取状況と行動変容段階尺度を調査した4）。 その結果油脂類と塩分の過剰摂取，乳製品，野菜，果物の不足が認められた。 また，食生活に問題があるにも関わらず，食生活を修正する必要を感じていない老が多いという結果であった。 これは食生括の良否を認識するための知識が乏しいこと，行動変容を妨げる何らかの障害を抱えていることを示唆している。