サンショウゥォ科における染色体の再配列と種分化

摘要

サンシヨウゥ才科に分類されるサンショウゥ才の系統閬係を明らかにするために，2穂類の染色体分染法を組 みれわせた染色体の相同性を分析し，それに基づいて，7属9種の分化の過程を推定した。さらに，これを検証 するために，ハコネサンショウゥ才をのぞくサンショウゥ才科の核ゲノムに大量に存在する高頻度反復DNAの 塩配列の解析を行った。染色体レベルの解析結果とDNAレベルの解析結果には矛盾がないため，これらの結 果は，サンショウゥォ科の種分化の過程を反映していると考えられる。真核生物のゲノムサイズは，一般に， ド等とされる生物では小さく，高等と される生物では大きい傾向がある。しかし，サンショウゥォ科（Hynobiidae) に分類されるサンショウゥォでは，ヒ トに代表される哺乳類の約4.8倍から 7.2倍のゲノムサイズを有している。 卩可者の持つ遺伝子の数にはそれほど大 きな差はないと考えられるので，これ はC値パラドクス（C値エニグマ）と 呼ばれる現象の典型的な例と言える。 C値力大きいこと力人サンショウゥォ科のサンショウゥォが大型の染色体を 持つffl由の一つである。大きな染色体 を持つもう--つの理由は，二倍体の染色体数が40-78と比較的小さいことである。一般に，板鰓類（サメやエイ の仲間）は比較的大きなゲノムサイズ を有している力人染色体数が多いため， 大きな染色体はまれにみとめられるの みである.