北海道におけるキュゥリウォ科魚類の卵粘性除去技術改善による人工ふ化技術の向上北海道ではシシャモゃワカサギなどの卵に粘性があるキユウリウォ科魚類の人工ふ化放流が行われている。平成2年ごろからは粘性を除去することで管理をしやすくした「集約的管理方式」の普及により、小さなスぺ—スで管理し、生残率を把握できる技術が導入されている。

摘要

シシャモ、ワカサギをはじめとするキユウリウォ科魚類の人工ふ化放流事業では、集約的卵管理を行う際にふ化率の低下と安全性の担保が課題となつていた。そこで、(地独)北海道立総合研究機構さけます,内水面水産試験場では、卵管理を行う前に必須の作業である受精直後卵の粘性除去処理に注目し、この技術改善によりふ化技術の向上に取り組んだ。筆者は平成n年に、さけます.内水面水産試験場の前身である北海道立水産孵化場に研究職員として採用され、えりも町にある同ふ化場のえりも支場(現：二社)日高管内さけ-ます増業協会えりも歌別ふ化場)に配属された。えりも町で3年半ほど「さけます人工ふ化放流事業」に従事した後、ほ年に恵庭市にある同ふ化場の本場へ異動となった。そこで上司から初めて試験研究課題の主担当者を任され、このとき与えられた課題が「集約的卵管理方式を用いたシシャモ人工ふ化技術向上に関する研究」であった。シシャモの研究に2年半打ち込み、その後S年からg年にかけて、シシャモと同じキュゥリウォ科に属するワカサギの集約的卵管理による人工ふ化技術の向上に取り組んだ。