第3回 ゲノム多型解析の最新手法

摘要

前号にも述べたように、次世代シークエンサーの出現により、DNA塩基配列の解析速度は飛躍的に向上した。そのため同一種内の複数個体でもゲノム解析が行われ、個体間の比較ができるようになった。その結果、集積されるSNP情報が急速に増加している。ヒトではすでに100万個以上のSNPが利用可能となっており、それらを用いた研究が進められている。例えば、ヒト疾患感受性の原因遺伝子の同定についての研究は、2007年から飛躍的に進歩した。その成果は目覚ましく、Science誌が年ごとに選ぶ「Breakthrough of the Year（今年の画期的成果）」において、2007年のテーマ第一位として「ヒトの遺伝的多様性の解明の進展（Human Genetic Variation）」が選ばれている。