フィールド方式による肉牛の産肉性改良システム: 第2回 宝の山は生産現場にあった

摘要

昭和五十年代、肉牛改良のための選抜のより所とされてきた外貌審査に疑念がもたれるようになり、また一方、昭和四十三年度から開始された種雄牛選抜のための産肉能力検定についても、さまざまな問題点が指摘されていました。 その中でも最大のネックは、当該年度内に実施された検定雄牛間でのみ比較、選抜が行われ、これらの雄牛とすでに生産現場で高い評価を得ている種雄牛との間、あるいは既存の種雄牛間で、遺伝的能力の比較ができるシステムになっていなかったことと、種雄牛候補生産のための計画交配用雌牛の産肉性、特に肉質についての遺伝的能力評価ができていなかったことであると、筆者は考えました。