地鶏への思い －地鶏とは何か－

摘要

もともと野生の鶏は、一腹で温められるくらいの卵を産むと、巣の中で卵を温める（抱卵）という性質（就巣性）　を持っていました。　有精卵を暖めれば二一日前後でヒナが照化し、母鶏はヒナがある程度の大きさになるまで育雛行動を継続します（この間、卵を生まなくなります）。就巣性は、鶏が子孫を残すための大切な本能的行動ですが、卵が欲しい私たち人間にとっては、マイナス要因になります。　そこで、産卵能力の高い鶏を作出するために選抜、改良を積み重ねた結果、現在のような年間三〇〇個近く卵を産む鶏が作られ恵した。　幸い、写真1の岐阜地鶏は、天然記念物に指定されたこともあり、卵用としては改良されず鶏の母性行動の一つである就巣性を保持しています。