新しい日本飼養標準、乳牛（一九九九年版）の改訂内容

摘要

乳牛の泌乳量は飛躍的に向上し、昨年度の牛群検定成績によると、その平均は既に北海道、都府県ともに八五〇〇kgを越えている。 一方、わが国の経済情勢はなかなか好転せず、牛乳消費量も停滞していることから、乳価も安くなることはあっても高くなることはないような状況が続いている。 また、深刻になりつつある環境問題に対して、早急な対応が求められている。このような厳しい情勢のなかで、酪農経営にはよりいっそうの精密栄養管理の推進が求められており、そのような努力を支える基本的なツールの一つに飼養標準がある。このため、飼養療準は、家畜の能力の向上、飼養管理技術の進歩などに対応して、栄養管理指標が充実し、最新の栄養学、飼養学研究の成果などが反映されたものであることが要望されている。