吸引通気式堆肥化処理方式等による家畜排せつ物資源化システムの問発

摘要

吸引通気式堆肥化システム研究開発グループでは、畜産農家において悪臭の主成分であるアンモニアの放出を低減できないかとの要望に応えるために、農林水産バイオリサイクル研究（畜産エコ）の中で、たい横した原料の底面からアンモニアガスを主成分とする発酵ガスを吸引し、たい積表面から新鮮な空気を導入する吸引通気方式の実用化を目指した。 また、付帯技術として、スクラバで脱臭できないアンモニア以外の臭気成分をスクラバ後段に設置した脱臭槽（モミガラやオガコ、林地残材、たい肥等の未利用バイオマス資材を充填したもの）で吸着する技術や、脱臭後の発酵排気をバイオフィルタを介してハウスに直接導入することで、廃熱と炭酸ガスを施設園芸に活用する技術についても民間企業と検討を進める等、たい肥化における悪臭対策や肥料資源の回収のみならず、エネルギーの効率的利用にまで発展している点で、他のたい肥化技術とは一線を画す画期的な技術である。