危機管理としての情報開示のあり方－消費者ニーズは迅速かつ正確で分かりやすいこと－

摘要

昨年末、米国でBSE（牛海綿状脳症）感染牛が発見された際、国内の消費者の反応は意外と冷静であった。 白钺幛闻＞堡蚯螭幛屏肖颏胜谷恕─巫摔稀?001年に国内で初のBSE感染牛が発見された時の牛肉パニックともいうべき状態とは、まるでかけ離れたものだった。 なぜ消費者は、これはど違った反応を見せたのであろうか。 この違いを分析すると、消費者が日常の食生活で何を求めているのか、大きなヒントが隠されている。 実は1990年代末期から、消費者の食への不安は徐々に増していた。 病原性大腸菌O157による食中毒の発生、野菜のダイオキシン汚染騒動、無登録農薬の使用、イギリスをはじめとする海外、特に欧州でのBSE感染牛の相次ぐ発見と人への感染など、消費者を不安に陥れる事件が相次ぎ、食の安全への関心は高まっていた。 そうしたさなかに、国内でのBSE感染牛の発見である。 牛肉を食べると、新型タロイツフェルト，ヤコブ病に感染し、必ず死に至る。 多くの消費者の脳裏には、そうした極端ともいえる悲惨な状況が浮かんでいた。