困難さを増すなかでも大家畜改良の継承、発展を－家畜改良事業団の取り組みと今後の大家畜改良－

摘要

畜産物の需要の急速な伸びに対応して、昭和36年に制定された「旧農業基本法」で畜産物の生産拡大が位置付けられた。 当時、生乳生産は現在の4分の1の200万t、牛肉生産は役用牛からの牛肉を主体に現在の3分の1以下の15万t程度の生産量でしかなかった。 大家畜生産は歴史的な蓄積もなく、家畜資源も少ない中で生産の拡大が急がれたため、官民挙げての取り組みとなり飼養頭数の増加と併せて、家畜の改良にも力が注がれるようになった。特に、家畜の改良はリスクの回避、家畜資源の有効利用などの観点から国、県等の官の活動を主体として進められ、補助事業等を通じて国が主導し、県、民間団体、生産者もそれぞれ役割分担をしながら国を挙げて取り組み今日に至った。