鶏の卵殻色に関する研究（1) 褐色卵の視覚的な判定基準と卵殻色素量との関係につ'いて

摘要

現在,、我国のスーパーマーケットなどの店頭で は，主に白色と褐色の卵殻色の鶏卵が販売されて いる。褐色卵の場合，卵黄や卵白の品質や，鮮度な どに問題はなくても，卵殻の色が薄くなると商品 価値は著しく低下する7'13)。この卵殻色の劣化(俗 に,ボケ卵やボケ玉と称する）の原因は,主として. 加齢によるものとされている。加齢以外にも， 褐色卵の卵殻色に悪影響を与える要因おじでは， ストレスや疾病（伝染性気管支炎）などが報告されている4'5)。ところが，実際にはボケ玉はGPセン ターなどの鶏卵処理施設で目視により除外されて しまうため，卵殻色の悪い褐色卵（ボケ玉）が一般 に流通し，消費者が目にすることはほとんどない。 我国の鶏卵処理施設では，褐色卵のボケ玉を除 外するための作業に明確な基準はなく，従来から, あるいは現在も経験にもとづく目視で行われてレヽ るものと思われる。そこで，2004年に(株）ゲン-コーポレーションは，新たな独自のオリジナル基 準であるシェルカラーファン（Shell Color Fan,以 下SCFと略記）を作成した（口絵の写真を参照)"。