ある乳牛の牧場に発生した慢性的Mg不足に原因する疾病群（4)--骨粗鬆症の進行における血清Mgの低下と血清グロブリンの増加--

摘要

乳牛の骨粗鬆症についてはほとんど知られてい ない。しかし酪農家の間では乳牛の売買の時に歯の 摩耗の程度から年齢を推定したり，胸部を親指で押 して肋骨の強弱を確かめたりと，ごく日常的に行わ れているのは骨歯の強弱を経験的に確認している。乳牛は10力月の妊娠期間の後，第一子を出産直 後から泌乳が始まる。その2，3力月後には種付けす るので泌乳しながら胎児を育てることになる。10力 月間の泌乳期間のあと搾乳を停止し乾乳期が2ヶ月 続く。なお，第一子の種付けは比較的に若い段階で， たとえば22 -23力月で種付けする傾向にあるがこ れは母牛の成長期にあり，母牛自身も体重が増加す ることを考える必要がある。母牛は一年間に平均約 4,000kg以上の牛乳と一頭の仔牛を生産するので， その飼養管理は厳密に計算されなければならない。