地方大学から見た大学の教育と研究

摘要

全国に吹き荒れた大学紛争も沈静化し，大阪で万国博覧会が賑やかに開催されている1970年4月に大阪を後にし，広島大学工学部に助手として赴任した．そこで初めて楠田哲三教授にお会いし，以後25年にわたって先生にご教授いただいた．その年の11月に第2回応用磁気学術講演会（日本応用磁気学会前身：日本学術振興会，応用磁気第137委員会）が広島大学工学部で開催されることになり，実行委員会の委員としてお手伝いすることになった．学生時代はイオン結晶の光学特性に関する研究を行っていた関係で，磁性とは全く関係がなかったが，これを機に現在の日本応用磁気学会の方がたにたいへんお世話になることになった．赴任してから2年目に楠田教授よりMnBi光磁気記録の研究を行うように勧められ，助教授（当時）の小西 進先生をはじめ，当時の大阪大学の桜井良文教授，名古屋大学の岩間義郎教授，内山 晋教授，日本大学の川西健次教授，横浜国大の権藤靖夫教授，埼玉大学の杉本光男教授，日本電気の絵所壮太郎氏にいろいろとご教授をいただいたことを感謝する次第である．