格子ボルツマン法と個別要素法を用いた多孔質体内の粒子輸送が浸透率に与える影響の検討

摘要

流体流れに伴う粒子輸送は，様々な工学的領域において重要な現象の1つである。資源工学あるいは土木工学の分野において，多孔質体内での粒子輸送問題として，次のような例を挙げることができる。グラウト材注入による岩盤の浸透性改良グラウチングは，流体の浸透挙動を制御する工法の1つである。ダムなどの土木構造物においては，岩盤中の空隙を充填し，岩盤を固密化することにより，岩盤の浸透性や力学特性を改良することを目的として行われる。また放射性廃棄物の地下処分場においても，貯蔵施設としての高度な遮蔽機能が要求されており，岩盤の浸透性の改良に用いられる。そこで，グラウチング施上の指針となるような数値モデルの確立が望まれている。