地表面の土地利用に配慮した小土かぶりトンネルの沈下対策: 函館新外環状道路見晴トンネル

摘要

函館新外環状道路整備事業の一環として施工した見晴トンネルは，函館市街地に近接した全長799mの山岳トンネルである.本トンネルの特徴は，最大でも26.5mしかない小土かぶりトンネルということに加え，強度が低くスレーキングによる劣化が生じやすい新第三紀の泥岩に，安山岩が複雑に貫入した地質状況にある.本工事の課題は，ゴルフ場，函館市道，配水管（φ800)埋設部，および携带基地局鉄塔の直下部における掘削をそれぞれの許容沈下量の範囲内に収めて，地表面やこれらのインフラへの影響を避け施工することであった.本稿では，本トンネル掘削期間において，沈下対策として採用した掘削方法，および施工管理方法について報告するものである.