日本人の長寿に「食事」は貢献しているのか？

摘要

2015年7月に厚生労働省が発表した2014年の日本人の平均寿命は、女性が86.83歳で、世界で最も長寿、男性は80.5歳で、2年連続で80歳を越え、男性も世界で最長寿国の一つとなっている。2015年の8月末には、英国の著名な医学雑誌「ランセット」に2013年の世界188カ国の「健康寿命」を調査した結果が掲載された。介護が不要で、日常生活に支障なく、自立して生活できる期間を健康寿命として調査したところ、日本人の女性が75.56歳、男性が71.11歳で、共に健康寿命は世界で1位であった。さらに平均寿命と健康寿命の差は、女性が10.83歳、男性が8.94歳となって、主要先進国の差が女性で約12.7歳、男性が約10.6歳であるのに比べ、15%程短くなっている。客観的に言えば、自立した高齢者が多く、社会的にサポートすべき期間が短い、幸せな長寿国ということができる。