視覚情報アップデートで新知見 視覚受容野の移動は 関心領域の優先的認識を反映

摘要

視覚空間は眼球運動前に前前頭皮質で圧縮されると、スタンフォード大のM•Zirnsak博士らが報告している。(ネイチャー7493号)我々は一連の急速眼球運動(サッケード)によって外界を見ており、眼球運動の都度、注視の方向を移動させて関心視対象を中心窩にもっていき、以後の処理を進める。このような眼球運動によって網膜上の像は高頻度にかなりずれるが、こうしたずれは気付かれない。この見かけの安定性の基盤となる主たる機構は、眼球運動開始前に、視覚受容野(RF)を急速眼球運動前の場所から運動後の場所へと予測的に移動することだと広く考えられている。こうした視覚RFの予測的「再マッピング」が注視制御にかかわる脳領域内でとくに顕著であトという証拠はある。しかし、その証拠の中に、眼球運動開始前の視覚RFを詳細に測定した例はない。