50年前に予言された光核反応 レーザーコンプトン散乱 ガンマ線使用して実証

摘要

高工ネルギーのガンマ線が原子核に入射すると光核反応が起こり、中性子が放出される。直線偏光したガンマ線を照射した場合、放出された中性子は角度によって強度が異なり、その強度IはI=a+b.sin (2ø)(øは直線偏光面からの角度)という非常に簡単な式になることが50年以上も前に理論的に予言されていた。しかし、高輝度の直線偏光ガンマ線を発生させる装置がなかったため、この理論は実証されていなかった。ところが、レーザーコンプトン散乱ガンマ線装置が開発され、直線偏光したガンマ線を容易に生成できるようになった。兵庫県立大学、日本原子力研究開発機構、レーザー技術総合研究所、東京工業大学、大阪大学などの共同研究グループはこのほど、ニュースバル放射光において、直線偏光したガンマ線を金、銅、ヨウ化ナトリウムにそれぞれ別に照射し、そこから放出される中性子の強度を計測、その結果、3種類の物質において、中性子の角度に対する強度が、I=a+b.Sin(2ø)になることが判明し、理論的予言が正しかったことが証明された。