わずかな淡水中イオン 栄養素に

摘要

淡水魚のエラは、淡水中のわずかなイオンを栄養素として吸収することができる。東京工業大学と米国メイヨー医科大学の研究グループは、淡水魚のえらで働くナトリウム(Na)イオン/アンモニウム(NH_4)イオン交換輸送体を初めて特定し、その活性を明らかにすることに成功した。淡水からのナトリウムイオンの吸収は、アンモニウムイオン排出と交換で行われるという説が70年前に提唱されたが、その分子の実体は特定されていない。研究グループは、ゼブラフィッシュのエラに発現するナトリウムイオン/水素イオン交換輸送体(NHE3)を発現させたアフリカツメガエル卵母細胞の細胞内水素イオン、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン濃度をイオン選択性電極法により解析した。