新原理「限局則」理論的に証明 理硏の研究チー厶

摘要

理化学研究所の岡田崇·特別研究員と望月敦史·主任研究員の研究チームは、生体内でみられる化学反応系の酵素変化に対する応答の範囲が、ネットワークの局所的な形だけから決まるという新原理「限局則」を理論的に証明した。Physical Review Lettersオンライン版に21日、掲載された。生体内で起こる化学反応は連鎖的につながり、ネットワークを形成している。このシステム全体のダイナミクスから細胞の生理機能が生まれ、さらに反応をつかさどる酵素の量や活性が変化することで、生理機能の調節が行われると考えられている。これまで、化学反応系のダイナミクスや調節機能を理解する目的で、各酵素の量や活性に撹乱を与え、化学物質の濃度変化を測定する摂動実験が行われてきた。しかし、ネットワークから化学反応系を合理的に理解することはほとんどできていなかった。