興味や意欲に関わる内発的動機づけに重要な脳領域の異常が統合失調症で明らかに外側前頭前野の脳活動に異常NCNPの研究グループ発見

摘要

国立精神·神経医療研究センター(NCNP)病院第二精神診療部の竹田和良医師、NCNP精神保健研究所の中込和幸所長らの研究グループは、統合失調症における内発的動機づけ障害に、外側前頭前野の脳活動の異常が関与することを脳画像解析により初めて明らかにすることに成功した。統合失調症は、人口の約1％が罹患する精神疾患。薬物治療の進歩により、幻覚や妄想などの陽性症状と呼ぱれる症状はかなり改善できるようになった。ただ、意欲低下や感情表出の減少などの陰性症状、集中力·記憶力、計画を立案したり、問題を解決する力などが低下する認知機能障害の治療はいまだ十分ではなく、特に、認知機能障害は、対人関係や就労·就学、生活の自立といった社会機能と密接に関わっているため、その療法の開発は喫緊の課題である。