リパーゼ反応を利用した工程による植物油脱臭留出物からの植物ステロールの精製

摘要

植物ステロールおよびその脂肪酸エステルである植物ステロールエステルは，血中コrnレステロール濃度を低下させる機能を保持しており，近年，これらを配合した様々な機rn能性食品が特定保健用食品として販売されるようになってきた。現在，植物ステロールrnは，植物油精製の最終段階である脱臭工程から排出される副産物（植物油脱臭留出物）かrnら，蒸留などの複数の方法により精製されている。しかし，目的化合物と夾雑化合物のrn分子量（≒沸点）が近接しているため，蒸留法だけでは目的化合物の分画が困難であるとrnいう欠点がある。我々は，酵素の一種であるリパーゼを用いて，植物油脱臭留出物中のrn目的化合物または夾雑化合物のどちらかを選択的に別の化合物に変換し，その分子量をrn変化させた。これにより，反応液を蒸留するだけで植物ステロールを植物ステロールエrnステルとして，容易にかつ高純度で精製できるようになった。また，植物ステロールエrnステルから植物ステロールを高純度で精製するには，リパーゼ反応と溶媒分画の組み合rnわせが有効であることも見出した。これらの工程は全て，工業的規模で実用化可能な技rn術である。